2007年11月17日

ゲッツー態勢、バックホーム態勢

「ゲッツー」はダブルプレイ、「バックホーム」は本塁への返球。
ここまではあまり野球に詳しくなくても、放送を何度も見ていればなんとなくわかる用語。
しかしそれを主眼に置いた守備シフト、となると解りにくいと思われます。
野球中継ではしばしば「内野はバックホーム態勢」などと用語が飛び交いますが、
具体的な守備シフトまで画面で見せてくれるケースは稀です。

と言う訳で今回は、いわゆる「守備シフト」の中でも言葉を聞いただけでは解りにくい
「ゲッツー態勢(ゲッツーシフト)」「バックホーム態勢」の解説を行います。


「ゲッツー態勢」はその名の通り、併殺(ダブルプレイ)を取るための守備シフトです。
打者に内野ゴロを打たせ、二塁→一塁の順にアウトを取るのが理想的な併殺。
その後に一塁への送球を行うため、二塁でのアウトは可能な限り素早く取るのが望ましい。
そこで素早くアウトを取るために、二塁手あるいは遊撃手(場合によっては両方)が
普段よりも二塁ベース寄りに守備位置を取るのが一般的な「ゲッツー態勢」です。
この「ゲッツー態勢」、バッテリーとの連携も重要な要素となります。
と言うのも二塁手・遊撃手がベース寄りに位置してしまう都合上、
一・二塁間や三・遊間はガラ空き。狙い打たれたらひとたまりもありません。
バッテリー側は、ボテボテの内野ゴロ以外を打たせてはならないのです。
この辺を取り仕切るのは大抵、投球をリードしかつ内野全体を見られる捕手の役目。
捕手が扇の要、守りの要と呼ばれる理由の一つでもあります。

実戦では前回の「打球方向」も念頭に入れ、例えば極端な引っ張り傾向の左打者に対しては
遊撃手だけが二塁ベース寄りに位置し二塁手は定位置、のように守備陣形を取ります。
ここで前回少しだけ話に出た、「右打者の右打ち」が生きます。
一・二塁間を抜く右打ちに対して併殺を狙うには、二塁手が定位置に守る必要があります。
そうすると遊撃手がベース寄りに守らなくてはならないが、
右打者に対して三・遊間をガラ空きにするのは
引っ張ってくれと言っているような物でちょっとハイリスク。
また右方向への長打が出れば、足の速い一塁ランナーなら長駆ホームインができます。
2番打者に「右打ちのできるアベレージヒッター」が好まれるのはこの辺の理由です。
この手の技巧派打者は、だいたいバントも上手ですしね。


「バックホーム態勢」は、もう1点もやれないような状況で
三塁ランナーのホーム生還を防ぐために使います。
具体的には、ホーム以外でのアウトを二の次にした極端な前進守備。
内野全員が前に詰め、これによって生じるポテンヒットを防いだり
犠牲フライを阻止したりするために外野も極端に前に出るのが普通。
当然ながら、外野の取れない位置に落ちたら長打確定。
正念場でのみ使われる、ハイリスクハイリターンの守備陣形です。
野球中継で「バックホーム態勢」の言葉が聞こえたら、
それはその試合の勝負どころである可能性が高いです。
しばしば試合のターニングポイントになるので、そこからの展開は要注目です。
posted by 霧野 流 at 10:10| Comment(3) | TrackBack(0) | 野球
この記事へのコメント
東方野球の方からきました。
大変わかりやすい文章で、更新楽しみににしてます。

質問があります。
ゲッツー態勢のことを中間守備というもんだと思ってたのですが、それはまた別物でしょうか?熱スタでも、ゲッツー守備と中間守備の両方あったような気がしますが。
Posted by 名前が無い程度の能力 at 2007年11月17日 22:10
コメントありがとうございます。

「中間守備」の「中間」とは、定位置と前進の中間を意味しているようです。
「ゲッツー狙いの中間守備」とか「バックホーム狙いの中間守備」とか
いろんな形の言葉が出てくるので解りにくい用語ではありますが、
基本は「定位置より少しだけ前に出る守備」と思って問題ないかと。
ゴロを素早くさばきつつ、極端な前進守備では失われる
柔軟な対応力を残したシフト……と言う説明になるでしょうか。

ちょっと説明しきれず申し訳ありません。
いずれもっとしっかりした知識が入り次第、記事にしてみたいと思います。
Posted by 霧野 at 2007年11月18日 11:13
丁寧にありがとうございます。

昔自分がやってた時は、〜シフトなんて意識しないで、打者やカウント、ランナーに応じて
少しずつ守備位置変えるのが当然でしたからね。
外から名を与えると、そんな大雑把な区切りにしかできないですよね。
Posted by 名前が無い程度の能力 at 2007年11月20日 02:33
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