2007年11月28日

万年時計

【ニコニコ動画】万年時計の謎に挑む (1/2)

久々に凄すぎる番組を見ました。
リアルタイムの地上波で見なかった事をこれほど悔やんだのは何年振りか……

重要文化財「万年自鳴鐘(万年時計)」解明と復元の様子を伝えるドキュメンタリーです。
万年時計とは、江戸末期の天才科学者・技術者にして現東芝の創業者でもある
田中久重氏が3年の歳月をかけて作り上げた機械時計の最高傑作。
ぜんまいを一度巻けば一年間動き、和時計、洋時計、天球儀と言った様々な機能が
現代技術並の精度で連動すると言う驚くべき技術の結晶です。
愛・地球博に出展するレプリカを作成するため、
各分野のエキスパートがこの万年時計の解明に挑みます。

元々の製作者である田中久重氏と、この壮大なプロジェクトに臨んだ
エキスパートたちの凄さが素人である自分にも伝わってきます。
こう言った偉大なる先人の遺産や、エキスパートたる職人たちの素晴らしさを
素人にも解りやすく説明し、そして後世へと伝える。
これこそ、自分が生涯の目標とする境地です。

田中久重氏、プロジェクトに関わった研究者さんと職人さん、そして
この番組のスタッフさんたちに心からの感謝と尊敬を。
posted by 霧野 流 at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2007年11月17日

ゲッツー態勢、バックホーム態勢

「ゲッツー」はダブルプレイ、「バックホーム」は本塁への返球。
ここまではあまり野球に詳しくなくても、放送を何度も見ていればなんとなくわかる用語。
しかしそれを主眼に置いた守備シフト、となると解りにくいと思われます。
野球中継ではしばしば「内野はバックホーム態勢」などと用語が飛び交いますが、
具体的な守備シフトまで画面で見せてくれるケースは稀です。

と言う訳で今回は、いわゆる「守備シフト」の中でも言葉を聞いただけでは解りにくい
「ゲッツー態勢(ゲッツーシフト)」「バックホーム態勢」の解説を行います。


「ゲッツー態勢」はその名の通り、併殺(ダブルプレイ)を取るための守備シフトです。
打者に内野ゴロを打たせ、二塁→一塁の順にアウトを取るのが理想的な併殺。
その後に一塁への送球を行うため、二塁でのアウトは可能な限り素早く取るのが望ましい。
そこで素早くアウトを取るために、二塁手あるいは遊撃手(場合によっては両方)が
普段よりも二塁ベース寄りに守備位置を取るのが一般的な「ゲッツー態勢」です。
この「ゲッツー態勢」、バッテリーとの連携も重要な要素となります。
と言うのも二塁手・遊撃手がベース寄りに位置してしまう都合上、
一・二塁間や三・遊間はガラ空き。狙い打たれたらひとたまりもありません。
バッテリー側は、ボテボテの内野ゴロ以外を打たせてはならないのです。
この辺を取り仕切るのは大抵、投球をリードしかつ内野全体を見られる捕手の役目。
捕手が扇の要、守りの要と呼ばれる理由の一つでもあります。

実戦では前回の「打球方向」も念頭に入れ、例えば極端な引っ張り傾向の左打者に対しては
遊撃手だけが二塁ベース寄りに位置し二塁手は定位置、のように守備陣形を取ります。
ここで前回少しだけ話に出た、「右打者の右打ち」が生きます。
一・二塁間を抜く右打ちに対して併殺を狙うには、二塁手が定位置に守る必要があります。
そうすると遊撃手がベース寄りに守らなくてはならないが、
右打者に対して三・遊間をガラ空きにするのは
引っ張ってくれと言っているような物でちょっとハイリスク。
また右方向への長打が出れば、足の速い一塁ランナーなら長駆ホームインができます。
2番打者に「右打ちのできるアベレージヒッター」が好まれるのはこの辺の理由です。
この手の技巧派打者は、だいたいバントも上手ですしね。


「バックホーム態勢」は、もう1点もやれないような状況で
三塁ランナーのホーム生還を防ぐために使います。
具体的には、ホーム以外でのアウトを二の次にした極端な前進守備。
内野全員が前に詰め、これによって生じるポテンヒットを防いだり
犠牲フライを阻止したりするために外野も極端に前に出るのが普通。
当然ながら、外野の取れない位置に落ちたら長打確定。
正念場でのみ使われる、ハイリスクハイリターンの守備陣形です。
野球中継で「バックホーム態勢」の言葉が聞こえたら、
それはその試合の勝負どころである可能性が高いです。
しばしば試合のターニングポイントになるので、そこからの展開は要注目です。
posted by 霧野 流 at 10:10| Comment(3) | TrackBack(0) | 野球

2007年11月10日

打球方向と飛距離

baseball1.jpg野球放送などでよく耳にする、
「流す(流し打つ)」「引っ張る」と言う表現。
これ、野球ファンには常識な割に、野球をあまり見ない人には
解りにくい用語の代表格ではないでしょうか。
「ダブルプレー」とか「デッドボール」とかは割と通りが良い気がするのですが。

と言う訳で、今回の記事はこの「流し打ち」「引っ張り」の解説を。
まず念頭に置いて欲しいのは、バッティングとは基本的に
スイングの遠心力によって生まれる加速力で打球を飛ばすものだと言う事です。
つまり、できるだけ遠心力の乗る位置で打った方が飛距離は出やすくなります。

この原則に乗っ取り、スイングを早めに開始することによって
バットに加速がついてきたところでミートするのが「引っ張り」です(図1)。
大きな加速力が乗るため、非力な打者でも強い打球を放ちやすくなります。
反面、スイングの始動が早く打球を捉えるポイントも前の方になるため、
ボールに対応して打つ事が難しく、空振りや打ち損じのリスクは増します。
またスイングの後半でミートを行う性質上、「引っ張り」の打球は
右打者ならレフト方向、左打者ならライト方向へと飛びます。

逆に、スイングの始動を遅らせることでボールを見る時間を延ばし、
対応してミートする事を意識した打ち方が「流し打ち」です(図2)。
スイングの前半でミートを行うため、打球は引っ張りとは逆の方向、つまり
右打者ならライト方向、左打者ならレフト方向へと飛びます
(この打球方向を単純に「逆方向」とも言います)。
特に右打者によるライト方向への流し打ちは「右打ち」と呼ばれ、
走者の進塁を意識する時のセオリーとされます。
(ここの解説は守備シフトとの駆け引きなどちょっと複雑なので今回は割愛します)
対応力に優れる反面、あまり遠心力に頼れない打ち方のため、
打球の強さは打者の筋力やリスト(手首)の強さに依存する事になります。
「逆方向へのホームラン」は、
それだけでホームランバッターのステータスとなりうる物なのです。
パワーは無くとも、俊足の左打者なら三塁の前や三遊間の深いところに転がして
内野安打を狙う事もできます。


まとめを行います。
「引っ張り」
・打球は右打者ならレフト方向、左打者ならライト方向へと飛ぶ。
・強い打球を飛ばしやすいが、ボールを見られる時間が短くミートは難しい。

「流し打ち」
・打球は右打者ならライト方向、左打者ならレフト方向へと飛ぶ。
・ボールを長く見られるためミートはしやすいが、パワーが無いと強い打球は飛ばせない。


打者は自分の力量と状況に応じて、これらの打ち方や
真正面に打ち返す「センター返し」に加え、
バットを長く持ったり短く持ったり、バッターボックス内で立つ位置を細かく変えたりして
相手バッテリーの内角・外角、速球・スローボール、直球・変化球と言った
様々な投球と駆け引きを繰り広げます。
中でも「引っ張り」と「流し打ち」は打球の飛ぶ方向で誰にでも簡単に見分けがつくため、
これまであまり意識していなかった方は、
是非今後は打球の方向に注目して野球の試合をご覧になってみて下さい。
posted by 霧野 流 at 06:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 野球